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脳卒中後遺症:感覚性失語の父 復活!珍道中 その5)突然コーヒーの淹れ方を教えてくれと…そのワケは!?

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今年74歳になる父は、1年前の2016年3月末に脳梗塞になりましたが、おかげさまで3ヶ月後の2016年6月に無事に退院しました。

父の障がいは、「感覚性失語」。見た目には、分かりにくい障がいについて、少しでも知っていただけたら…と思います。

過去のブログはこちら♬
その1)認知症?と思ったら、脳梗塞だった!!! https://riecs.net/blog/614/

その2)治療は必要だけど、病人にはしない https://riecs.net/blog/615/

その3)退院日を勝手に決めた父 https://riecs.net/blog/616/

その4)警察沙汰がありつつも、豊かな人生♬ https://riecs.net/blog/619/

数日前のある朝、父が突然「コーヒーの淹れ方を教えてくれ」と言った。

もちろん、言っている言葉は不十分なので、
父の言っていること、ジェスチャーなどを総合すると、コーヒーの淹れ方を知りたいらしい、と判明。

コーヒーもお茶も、母か私が淹れれば飲むけれど、自分で淹れる姿は一度も見たことはないけど…今更、なぜ????

その理由は…

 

「小学校時代からのお友達が遊びに来るから」

 

そのお友達が来られる時間帯は、ちょうど私も母も出かけていていない時間帯。

父は、そのことが分かっていたので、自分でお友達をもてなしたいと、「コーヒーの淹れ方を教えて」と言った様子。

 

なるほど!!!!!

 

まさに、意味のある作業!

 

普段は、絶対に絶対に…コーヒーを自分で淹れることはない。
喉が渇いたら、水を飲めば良いと思っている人なので…笑

でも…

遊びに来てくれる、友人をもてなしたい

その気持ちが、74年間、コーヒーを淹れることに興味のなかった父の意欲を駆り立てた。

 

その人にとって意味のある作業

 

やる気になった時が、その時♬

 

とはいえ…そのお友達は、その日の10時過ぎに来られるとのこと(笑)

その話を聞いたのは…当日の午前8:30(笑)

私は9:00過ぎには出かけるよ〜!!!

と言うことで、速攻でコーヒーの淹れ方を一緒に体験してもらい、父が出来るように準備をすることに…

 

作業療法士で良かった!!と思う瞬間(笑)

 

コーヒーを淹れると言っても

1)インスタントコーヒー:瓶

2)インスタントコーヒー:小袋(1杯ずつ)

3)ドリップパック

4)ペーパーフィルター

5)コーヒープレス

6)コスタリカ式ネルドリップ

と…我が家にもコーヒーを淹れる方法や道具が色々あるなぁ〜

父に聞いたら、「なんでもいい」とのこと。

 

ちょっと試して、評価した結果…

4)ペーパーフィルターが一番、楽に、効率的に、安全に、一人で、できそうと判断

でも…出来る環境作りは必要!

 

父が一人でもやりやすいように…
*ペーパーフィルターとドリッパーをセット
*ペーパーフィルターにコーヒー豆(挽いた豆)を適量入れておく
*ドリッパーとコーヒーを受ける器をセット
*お湯は沸かして保温ポットに入れておく
*カップとソーサーを出しておく
*父に、どこまでお湯を入れた良いか伝えておく

 

あとは、なんとかなるでしょう〜ファイト!
と私は出かける。

 

父は、髭を剃って身支度中

 

ちなみに母は…「○○さんに淹れてもらえばいいわね」と一言…(笑)

父のお友達の方は、本当に長年のお付き合いの方で、氣を遣う相手ではないので、甘えさせてもらったら良い、とのこと。

これも一案!!

人に頼ることも大事。

 

ただ、今回は…

「父がやりたい、やってみようと思ったこと」なので、その気持ちを尊重して準備。

 

で、その結果は…

 

母が出かける前に、お友達の方が来られたので、
結局、母がコーヒーを淹れてお出ししたようです(笑)

 

チャンチャン♪( ´▽`)

 

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最後まで読んでくださって、ありがとうございました♬

お子さんとお母さん、関わる全ての方が、元氣に、笑顔で、希望をもって生きてくサポーター

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引野里絵(作業療法士&グローアップクリエーター

Rie Child Support (RICS)では、

お子さんの「デキル!」を一緒に見つけ、

デキル方法を提案しています。

◉デキル!を見つけるプログラム(ご家庭向け)
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集団作りの協働的コンサルテーション

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活動エリア:島根県東部(松江・出雲・雲南・安来・奥出雲・飯南)/鳥取県西部(米子・境港・西伯郡)/広島県尾道市

 

脳梗塞後遺症:感覚性失語の父、復活!珍道中 その4)警察沙汰ありつつも豊かな人生♬

今年74歳になる父は、1年前の2016年3月末に脳梗塞になりましたが、おかげさまで3ヶ月後の2016年6月に無事に退院しました。

父の障がいは、「感覚性失語」。見た目には、分かりにくい障がいについて、少しでも知っていただけたら…と思います。

 

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父は10年間、民生委員をしていた。

父には申し訳なかったけれど、父の意向は確認せず…
母が入院後すぐに辞退を申し出たことがあった。

父が入院している間、民生委員の仕事が途切れてしまうこと、
仮に退院しても感覚性失語ではお役に立てそうもないことが理由だった。

でも、他の民生委員の皆さんは、脳梗塞は回復の可能性もあるから、退院した時に、辞めるか続けるかを判断しても遅くない。
その間の役割は今いる委員の方々で分担するから、と言ってくださった。

回復といってもなぁ〜すぐには難しそうだけど…
と思ったけれど、その時点では、皆さんのお気持ちをありがたく受け取った。

退院した時に、父は…
任期が終わる11月までは、何かしらお役に立てるところでお役に立ちたい、と…
自分でできることはする、と言っていた。

11月以降は辞めるが、それまでは辞めないと言う。
やっぱり頑固…。

そして、退院してすぐに、担当している地区に行きたいと言うので、私も父と一緒にその地区を歩いてみる。

担当していたお宅の場所も覚えているが、相手の方のお名前も、自分の名前も言えない。

声をかける時は、私が声をかけさせていただき、父の様子も伝えた。

 

そんなある日、私がいない時に、父が氣になっていた方のお宅を、一人で尋ねてしまった様子。

 

玄関から呼びかけても応答がない。

高齢の方のお宅だったようで、応答がないことが氣になり、

窓から家の中をのぞいていた、とのこと。(この時点で十分に不審者…d( ̄  ̄))

 

その様子をご家族が見て、不審に思い、父に声をかけたら

父「山田さん?」

ご家族「いいえ、違います。」

父「山田さん?」

と…しつこかたったらしく…警察へ通報…m(._.)m

 

感覚性失語という障がいのある父は、相手の言っていることは分からないし、

仮に、自分では「佐藤さん」だと思っていても、「山田さん」と言っていることもある。

そして、その違いに氣づいていない。

※固有名詞は仮称です。

 

ご家族の、不審はごもっとも。

警察への通報も当然のこと。

 

けれど父は、なぜ警察を呼ばれたか分からず、怒っている。

そして、その地域の方や、間に入ってくださった方から、一人で出かけるのはやめてほしいと言われ、さらに怒る…。

そして、この件を機に、「やっぱり、民生委員は辞退してほしい」と言われ、さらに怒る…。

 

父は、話の内容は十分に理解できないけれど、感覚的に内容を受け取っているところがある。

なので、この怒りを治めるのがちょっと大変だった。

内容が分からず怒っているのではない。

納得ができずに怒っているのだ。

感覚性失語のことや

地域の方に、父の存在を知ってもらい、理解してもらうことができれば

一人で出かけることもできるのになぁ〜と社会的障壁を感じつつも…

 

地域で暮らしていくためには、地域の方に安心していただくことも大事。

だったら、人の噂も75日。75日間は一人外出禁止令…笑

父は、納得できないままだったが、その約束をちゃんと守っていた。

そして、75日経った頃には、一人で外出していても、誰からも何も言われなくなった。

そして、その頃(9月)開催された、退職職員の囲碁大会(島根県大会)に出場。

 

入院時は五目並べもできなかった。

新聞の囲碁欄を見ながら、碁石を並べることもあったが、「今じゃない」と辞めていたが、

急に囲碁大会に出場すると言う。

 

会の主催者の方にも事情を説明したら、「ぜひ参加してください!」と暖かく迎えていただく。

 

父は、もともと4段で打っていたようだが、今回は初段のクラスで挑戦。

 

そしたら…不戦勝も含めて、全勝してしまった…

 

父は、自分が思うようには打てなかったようだけれど、

父の試合を見ていた方からは、「鋭い碁を打っていたよ」とお褒めの言葉をいただく。

 

そして、中国大会へ…

 

中国大会では、2勝1敗で、全国大会へは行けなかったけれど…

 

この試合をきっかけに、家でも囲碁を打つことが多くなり、

NHKの囲碁のテレビも見るようになり、4月からは月に2回、囲碁の会に出かけるようになった。

 

月1回は、失語症の会の皆さんとの食事会

月1回は、祖母がお世話になっていた特別養護老人ホームでの、布切りボランティア参加

月2回は、囲碁の会参加

なんだかんだと、毎週出かける先があり

 

県立美術館、市の図書館へ出かけたり

(身体障害者手帳4級につき、バスが無料なので、バスに乗って出かけて行く)

庭の手入れをしたり

畑の手伝いをしてくれたり

入院前は、民生委員の役で忙しかったようだが、

退院後は、自分の時間を中心に生きている。

 

ある時父が「これからは、遊んで生きる!」と言った。

(ふとした言葉は、スーッと出てくるときがあるのも失語の特徴。ちゃんと話そうとすると、言葉が出にくくなる)

 

そして、その通りに生きている。

今の自分を、どのように感じているかは分からないが、

少なくとも、力強く生きている。

そんな生き様を見せてくれていることに感謝。

4日間、読んでくださってありがとうございました。

本当は、もっともっと面白いエピソードがいっぱいあるのです。
ブログには書けないことも…笑
もしも、興味のある方がおられたら、出会った時にお声掛けください〜♬

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最後まで読んでくださって、ありがとうございました♬

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畑の合間に、辞書を開いて勉強中…笑

 

久しぶりの囲碁大会@島根県大会

 

大豆の選別。大助かり!ありがとう〜♬

数独クリア! 私には無理…笑

脳梗塞後遺症:感覚性失語の父、復活!珍道中 その3)退院日を勝手に決めた父

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日付が変わった、2016年4月2日の夜中に、脳梗塞で入院した父

3週間程度の治療入院の後、4月末にはリハビリ病院に転院。

 

今までは、治療が優先で、ベッド上にいることが多かったけど…

 

リハビリ病院では、理学療法・作業療法・言語療法、いわゆるリハビリフルコース。

一日、3時間はリハビリの時間。

 

日常生活(トイレや食事、着替えなど)が一人でできるので、一番メインのリハビリは、言語療法。

 

ちなみに、理学療法は入浴訓練の時間で、お風呂好きの父には、良い時間だった様子。

治療入院していた病院では、お風呂に入れなかったので…

1ヶ月ぶりにシャワーのある生活がスタート!!

 

作業療法では、担当の作業療法士さんが私のリクエストにも快く応じてくださり、

退院後の生活を想定して、以前から行っていた、お風呂掃除やゴミの分別について評価をしていただきました。

ちょっと非効率なところはあるけど、大丈夫そう、とのことで一安心。

退院直後から、お風呂掃除&ゴミ出しをしてくれています。

 

そして、メインの言語療法

ここで、父の頑固ぶりが、かなり発揮されました。

言語聴覚士さんの提案してくださったプログラムに、一応は応じるものの、「意味がない」と独自のリハビリを開始…笑

 

父はまず、文字や文章が読める様になりたかった様子。

一方、言語療法では、絵と漢字を一致させたり、物の呼称を練習したりしていた様子。

 

特に、物の呼称は父にとっては、難しい。

例えば、携帯電話を見て、何をするものかはわかっても、「でんわ」と言う名前が言えない。

「ジム」と言ったり、全く意味のない言葉を言ったりする。

しかも、毎回違う。

そして、違う言葉を言っていることも、自分では理解していない。

 

そういう状況なので、父は、文字が読めるの様になることが先、だと考え…

 

リハビリ病院入院数日後の初外泊の時に、

家にあった、標語が書いてあるカレンダーをベッドサイドに持って帰った。

さらに50音表が欲しいと言うので、弟がネットから探して印刷。

 

50音表を見ながら、標語を何回も紙に書き写して、読む。

 

 

例えば…

「ありがとう」 を 「さ」「な」「わ」「ま」「り」と読んだりする。

 

「『あ』だよ」と言っても

「わ」とか「う」と言う

さらに毎回、言う音が異なる。

 

相手の言っていることも、自分の言っていることも

とにかく、「音の聞き取り」が難しい。

 

それでも、唇や舌の動きを見てもらったり、

「あ!」っと言いながら指を差す、ジェスチャー付きで、音を出し、

父が少しでもわかる様に、私も工夫をして伝える。

 

もともと、右脳優位の父なので

50音表の位置で、文字と音を一致させていく作業をしている様子。

 

最近では、少しずつ、文字と音が一致する様になってきた

(「あ」を「あ」と読み、「り」を「り」と読むことができる)

 

そんなこんなで、独自のリハビリを始めた父は、入院してリハビリを受ける意味をだんだん感じなくなってきた様で…

 

1ヶ月半くらい経ったある日、勝手に退院日を決めていた。

ある日、病室に行くと…

父:6月24日に退院する と…カレンダーを使って伝える

RIE : えっ???? 帰ってくるの???

 

言葉でのコミュニケーションが難しい父が、
病院のスタッフに退院の希望を伝えて、日程まで決めてしまった。

 

おそるべし、強い思い
そして、この底知れない能力に感服…の反面

 

いくら本人の希望でも、さすがに家族の意向も確認してから退院日を決めて欲しい…

父が決めた退院日は、私も母も、既に予定があって迎えに来れませんが…とナースステーションへ訴えに行く。

 

結果・・・父の希望よりも数日後に、おかげさまで無事に退院。
(実際には、退院日が延びたことを、説得するのにちょっと苦労したけれど…笑)

 

退院の時は、ナースステーションで「どうも」と言い(偉そうだ…笑)、

エレベーターも使わず、荷物を両手に持って、スタスタと階段を降りて行く姿に、
看護師さんたちが「え…???(階段で降りるの?しかも荷物持って?)」と、
目がパチクリとなっていたのが印象的でした。

 

スタッフの皆様、お騒がせしました…そして、ありがとうございました!

 

次回は…退院後、警察沙汰がありながらも…平和(?)な日々 です!
https://riecs.net/blog/619/

また明日〜

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最後まで読んでくださって、ありがとうございました♬

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